世界で一番美しい弦、一番心に響くアンサンブル
スロヴァキア室内オーケストラ
 
   


Photo (C) 三浦興一
スロヴァキア室内オーケストラ
Slovak Chamber Orchestra


1960年、当時スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターであった、ボフダン・ヴァルハルによって、スロヴァキア・フィルの第一級のソロ奏者たちとブラチスラブァ国立音楽アカデミーの優秀な卒業生を選抜して組織され、創設された。
この弦楽合奏団はヴァルハルの夢の結晶であり、理想への飽くなき情熱と彼の音楽に対する真摯な思いによって、短期間のうちに、綿密で息の合ったアンサンブルへと成長した。
以来、スロヴァキア国内はもとより、国外へもその評価は知れ渡り、ザルツブルグ、ウィーン、ベルゲン、モントルー、パリの夏、ブリュッセル、プラハの春等の国際フェスティヴァルにしばしば招かれ、世界をリードする弦楽合奏団として、名声を博している。
結成から45年を経たスロヴァキア室内オーケストラは、その特質である暖かい音色、完璧な技術、自発的な音楽性、情感、それぞれの作品の演奏形式の正確な把握等、優れたアンサンブルが保持するべき性能をすべて備えた演奏によって、世界の聴衆を魅了してきた。また、特筆すべきは、単に完璧なハーモニーを演奏するに留まらず、アンサンブルとして円熟の極みに有りながら、故ヴァルハルが求めた情熱と覇気に溢れる演奏を行う点であろう。

 


Photo (C) Isao Oishi
Ewald Danel
エヴァルト・ダネル
(芸術監督・ヴァイオリン)


ヴァイオリンと指揮をオストラヴァ音楽学校とブラティスラヴァ音楽演劇アカデミーで学ぶ。更にボフダン・ヴァルハルに師事して研磨を重ね、ウィーン音楽大学のカール・オーケテアライヒ教授のマスター・クラスで研磨を積む。その後、スロヴァキア放送響とスロヴァキア国立歌劇場管の両オーケストラのコンサートマスターを経て、1985年スロヴァキアフィルのコンサートマスターとなり、ソリストとして、また指揮者としても活躍した。1987年から98年にかけては、ブラティスラヴァ音楽演劇アカデミーで後進の指導にあたり、1999年以来、愛知県立芸術大学で教鞭をとっている。
彼はスロヴァキア・ピアノトリオの設立者の一人であり、スロヴァキア弦楽四重奏団のトップを務めたほか、1992年から96にはブラティスラヴァ首都室内管〈カッペラ・イストポリターナ〉の芸術監督を務めるなど、種々の室内楽にも精通 している。また、客演コンサートマスター、ソリスト、指揮者、室内楽奏者として、ヨーロッパのみならず、広く世界のステージに立っている。
ヴァルハルと同郷の出身である彼は、以前よりスロヴァキア室内オーケストラに客演を重ねており、現在は、ヴァルハルの後継者として同室内オーケストラの芸術監督を務めている。